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「結婚!?」 数日して キラが見つかったという情報がアスランにもたらされる。 しかしそれは同時に結婚のことも知る結果となった。 「っ 冗談じゃないっ!!」 キラは俺の恋人だ。 他の誰かのものになるなんて許せるはずがない。 ―――アレに自分以外の誰かが触れるなんて、 誰がそんなことを許すものか。 「…落ち着け。」 今にも乗り込んでいきそうな彼をイザークが呆れた様子で止めた。 「気持ちは分かるが冷静になれ。貴様らしくない。」 「―――ッ」 自分が熱い分だけ落ち着いている相手が癪に障る。 だが冷めたアイスブルーに睨まれて 幾分かは冷静さを取り戻した。 「…元々婚約していたのはあちらだ。理由は知らないがあいつはそれから逃げ出した。」 乱暴に座りなおしたアスランを認めてから、イザークはキラを連れ去った相手の資料をテーブ ルへ投げて寄越す。 わりと名の知れた大企業の名前がそこには記されていて。 さらにイザークからは信じられない言葉が告げられた。 「見つかったから連れ戻されたようだな。」 「待ってくれ。婚約だって…!?」 知らないキラのことが次々に出てきてアスランは驚くばかりだ。 聞き返せばイザークは肯定の意味で頷く。 「確かな情報だ。貴様は何も知らなかったのか?」 「…ああ。キラは何も言わなかった。」 3年前音信不通になって、ある日ひょっこり目の前に現れたキラ。 それからすぐに今の関係になったのだが、連絡が取れなかった間のことは何も聞かなかった。 キラは聞かれるのを嫌がっていたし、俺もキラがいるならそれで良かったから。 「あいつは多額の借金をしていたらしい。―――つまり、結婚も婚約も条件なんだろうな。」 「借金をチャラにする為の、か…」 イザークの言葉に続けて アスランは嫌悪感もあらわに一言吐き捨てる。 そんなくだらない理由で俺からキラを奪おうとするなんて。 「……くだらない。奪われたなら奪い返す。」 「どうするつもりだ?」 揶揄するようにイザークが笑い、アスランも不敵に笑い返す。 「―――もちろん。堂々と、正面からだ。」 →→Next...