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 汚れなき純白のウェディングドレス
 僕の為に作られた、綺麗な綺麗な僕の枷

 もうすぐこれを着て 僕は僕でなくなる。
 アスランじゃない人のものになる。


「……っ…」
 ぽろぽろと 知らず涙が零れ落ちる。

 そんなの嫌だった。アスラン以外は嫌だ。
 アスランに会えないことも嫌で。

 でも自分の力ではどうすることもできなくて。
 逃げることももう不可能で。

「会いたいよ…… アスラン…っ」






「キラ!!」

 そのとき突然扉が開き、今の今まで思い浮かべていた彼がそこに現れた。
 上質のスーツを着こなして 知らない人みたいだけど、色も声もそれは彼に間違いはなくて。
 彼はキラの姿を認めると 真っ直ぐにこちらにやってくる。
「!? ア、アスランっ!?」

 何で君がここに!?
 驚くキラをよそに、近づいたアスランはキラを強く抱きしめて、良かったと囁く。
 本当に安堵するようなその声に キラはまた泣きそうになった。

 大好きなアスランの腕の中。
 安心できて とっても幸せな気分になれる場所。
 でも、どうしてアスランがここに?


「―――迎えに来たんだ。帰ろう、キラ。」
 心の中の疑問に答えるように アスランが視線を合わせて微笑む。

 帰れる? 君のところに?
 嬉しさにキラは顔を上げて、…でも そこで気づいてしまった。

「だ、ダメ…! だって、僕……」

 自分がここにいる理由を思い出した。
 だから彼にサヨナラを言ったのに。

「キラ、」
 けれど、アスランは沈むキラとは反対に優しい笑みをさらに深める。
「借金のことなら気にしなくて良い。キラはもう自由だ。」
「えっ?」
 それはつまりどういう意味なのだろう?
 驚いて彼の顔をじっと見るキラをアスランは読めない顔で見下ろしてくる。

 ―――アスランが借金を肩代わりしたなどキラが知るはずもないし、アスランも言うつもりは
 なかった。
 恩を着せる為に肩代わりをしたわけではないから。
 キラがただ自分の元へ戻って来れば アスランはそれで良かったのだから。

「…それとも、俺より彼の方が良い?」
 ふ と表情を翳らせるとアスランが少し悲しげに尋ねた。

 それを聞いて キラは慌ててブンブンと首を振る。
 そんなことは絶対にない!

「アスランが良い! アスランと帰りたい!」
 キラが迷わず答えると、アスランは満足そうにそして嬉しそうに 再びにこりと笑った。



「じゃあ帰ろう。」
「―――うん。」



 そして、今度こそ、君の手を。






終わっちゃえ。




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キラは最初から"男"だと思って書いていました。(ぇ)

この話は元はプロモみたいに映像だけが浮かんだもの。
それにセリフをつけてみました?(え、疑問?)
日記ネタだったのですが 細かくページを分けたいな〜とか考えてしまったので。
ストーリー性がないのはそのせいです(日記ネタは大抵がそんなものなので)
マンガだったらセリフ無しで書けるのになー 小説では無理ですね。

ちなみに。肩代わり、なんて言ってますが、実際は脅し含んでます。ええ、かなり。
可哀想ですね、この人。(中で書け、こういう事は)
…つーかこのオリキャラは何者なのか。名前すら出てきてませんが。
ビジュアルもお好きにご想像ください。
合いそうな人を勝手に当てはめても良いかもですねー




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