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 窓に手をつき 外の星空を眺める。
 星空はとても美しいのに、それを見ているキラの顔は浮かない。

 キラが今いる部屋は調度品・家具、全てにおいて一流の物が揃った豪奢な部屋。
 調度品は全て同じ白磁に金縁取りのデザインに統一されていて、アクセントにはピンクのミニ
 薔薇が添えられている。
 細工は細かく繊細で この部屋の持ち主のセンスの良さが伺えた。
 広さはここだけでキラがいたマンションの部屋と同じくらい。
 けれどそれもキラの目には入らない。
 どんなに美しかろうともここが自由を奪う場所でしかない限り、キラにとっては監獄と変わり
 なかった。




 長い間そのままでいたキラだったが、部屋の扉が数回ノックされ、返事もしないでいると勝手
 に開けられて男が現れる。
 それでも視線すら寄越さないキラに彼は苦笑いすると、自ら傍までやってきた。


「何か見えますか?」
「…特に何も。」
 彼が視線を合わせて優しく語りかけてもそんな素っ気ない言葉しか返ってこない。
 それも慣れたものだから特に気にした様子もなく、今度は無理矢理腰を引き寄せて自分の方を
 向かせた。
「もう逃げる気は起きませんよね? 無駄だと分かったでしょう?」
「……っ」
 視線を逸らすキラの顎を掴み上を向かせ、彼は強引に口づける。
 悲しみか悔しさか、キラの頬を涙が伝った。
 それを見ながら男は薄く笑う。



「もう逃がしませんよ、私の花嫁……」






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