message --2--
薄暗い部屋で携帯を握り締め、キラは冷たい床にへたりこんでいた。 今送った恋人へのメールはお別れの言葉。 愛しているのに、こんなにも彼を好きなのに。もう彼の傍にはいられない。 「アスラン… ごめん……」 キラの瞳から大粒の涙が零れる。 相談はできなかった。忙しい彼に迷惑をかけたくなくて。 他愛もない話題でごまかして、彼に気づかれないようにして。 それで今日まできた。 でももう終わり。幸せな日々は壊れてしまった。 「キラ」 不意に後ろから肩を叩かれびくりとする。 振り返り見上げると、男が手を差し出していた。 「行きましょう。」 「…はい。」 頷いてキラはその手を取る。 そしてキラの手を離れた携帯は、床に落ちたままそこに残された。 「キラ!! ……っ!?」 アスランがたどり着いた時にはもう、部屋はもぬけの殻で。 それどころか人が住んでいた跡もないほど何も残されていなかった。 唯一残っていたのは リビングの真ん中に転がっていたキラの携帯だけ。 それを拾い上げ、力を込める。 「―――…必ず見つけだす…!」 そして友人達の協力を得る為に、キラのそれを大切にしまいこむと 自分の方の携帯を開いた。 →→Next...