Happy Day
--2-- 「お祝いの言葉」−アスカガ編− 「ラクス!」 会場内を2人で挨拶してまわっているところに明るい声が投げられる。 立ち止まり振り向けば 手を振りつつ彼女は早足でやってきた。 せっかく着飾った髪もあまり気にしていない様子で 崩れるのもお構いなしといった様子だ。 そしてその後ろからは、その恋人が微笑ましげな表情で付いてきている。 「ラクス、おめでとう!」 「おめでとう。」 「カガリさん、アスラン。」 和やかな雰囲気で4人は笑顔を交わし合う。 「今日のは初めて見るドレスだな。とても似合っててキレイだ。」 「私もとても気に入っていますわ。キラが選んで下さったものですもの。」 カガリに嬉しそうに語る姿は 珍しく年相応に見えて、それが可愛らしい。 ね? と笑顔を向けられたキラの方は照れているのか顔を赤くして視線を逸らし。 それにアスランが可笑しそうに笑った。 「これは私達からな。」 「まぁ。綺麗なバラの―――」 花束から甘い香りが漂い、ラクスはその香りにうっとりと微笑む。 「…選んだのはアスランですか?」 「あれ? どうして分かったんだ?」 「いつも同じ色を、頂いていましたから。」 そう言ってクスクスと笑う。 「「…不器用。」」 「煩いな。」 恋人と親友から同時に呆れた声で言われたからか、憮然とした返答を返したまま黙り込んでしまった。 「でも私は気に入っていましたわ。感銘、でしたか?」 それでもフォローを入れようとしない2人の代わりに ラクスが助け舟を入れる。 「尊敬の念、友愛といった意味がある花ですわね。」 「へぇ。」 素直に感心した声をあげたのはカガリで、さっきまでのアスランをからかうような態度はすでに忘れた 様子。 「…じゃあ カガリの誕生日には"赤"かな?」 キラの言葉にラクスが気づいて、あら。と笑う。 「もう贈っているのではありません?」 「そうなの? アスラン。」 今度はキラとラクスがからかうような態度で言って、分かっていないのはその方面に疎いカガリだけ。 「"赤"って何だ?」 ワケも分からず とりあえず2人と同じようにアスランを見る。 3対の瞳に見つめられ、それでもアスランは口を開かない。 「片割れとしてはけっこう重要なんだけど。」 「私もお友達として。」 「……ただの好奇心でしょうが。」 「「人聞き悪い(ですわ)」」 「……」 なんでこういう所だけ似てきてるんだ、とアスランは心の中で思ったとか。 そしてカガリはやっぱり意味が分からなくて、ただ首を傾げていた。 →→ディアミリ編へ --------------------------------------------------------------------- ギャグだったんですね、コレ。 しかもキラとラクスが人をからかって楽しんでますヨ。