==あとがき==
ここまで読んで下さってありがとうございました。
序章をDIARYに書いたのがちょうど1年前。
それからちょこちょこと暇があるときに書いては行き詰まり。
数ヶ月放置して浮気をしまくったり。
―――そんなこんなありましたけど、やっと終わりました。
タイトルから作るとやっぱりズレが生じて正直どうしようかとも思いましたが。
もう1つの仮題「スクランブル・エッグ」じゃどうにも雰囲気合わないのでこっちに。
タイトルをこっちにしていたらもっとコミカルになってたかもしれません(苦笑)
アスキラ前提のキララクとアスカガというのは 1度書いてみたかった設定なんですが。
ラクスとカガリが敵役というのはけっこう私的に辛かったです。
キララクとアスカガも大好きなので。
―――キラとカガリは振られてもいつか他の誰かを好きになれそうですよね。
でもアスランとラクスは好きになったら一生その人だけ愛しそうに思うんですが。
……この先ラクス様の幸せを願っています。
この話は4人共が主人公です。そんな主旨の話。
最後はアスキラに持っていきましたが。
その後ラクス様の独白があったので、下にオマケで置いておきます。
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<オマケ>
鳥が高らかに鳴く。
光溢れる緑の庭で、思い思いに飛び回る小鳥達を眺めていたラクスが ふと彼らがいる部屋の窓を見上げた。
あれから小1時間、キラもアスランも姿を現さない。
その意味を、ラクスは予想できたし、認めるだけの覚悟ももうできた。
鳥達の中に紛れ込んでいたトリィがラクスの所まで飛んできて肩に止まる。
慰めるように頬を擦り寄せてくるその姿に "彼"と同じ優しさを見て小さく笑った。
「―――貴方に嘘をついてでも、傍にいて欲しかったから。私はその贖罪に貴方の心を諦めたのですわ。」
2人が想い合ってきた期間は長すぎて、2人の想いは深すぎて。
だからせめて、1番近くにいることを望んだ。
欲張れば何も叶わないことを知っていたから、ひとつを諦めることにした。
…そしてそれは 自分の罪の意識を軽くするためにも必要で。
想いが叶わないことが、振り向いてくれないことが、この身に課された罰なのだと。
彼の幸せを踏み躙る望みだったから、"心"を諦めることで罪を贖ったことにした。
それで、何もかも上手くいくはずだった。
いっていたと、思っていた。
「……では、今のこの状況は?」
けれど、未来は思い描いたようにはいかず。
アスランはカガリと別れ、キラの傍を望んだ。
そしてきっと、キラはもう"ここ"へは戻ってこない。
ひとつを諦め、やっと手に入れたもの。
けれど結局は全て奪われてしまった。
何も手に入ってはいない。自分の手元には何も残らなかった。
「長い間貴方の幸せを奪ってきた、これはその代償なのかもしれませんわね…」
心も、貴方の隣も。
全てはアスランのもの。
これが元のカタチ。
ねじ曲げなければすぐに訪れた 本当の未来。
「……それでも、今までキラと過ごした日々は私だけのものですわ。それで満足するしかありませんわね。」
肩を竦めると ラクスは窓から視線を外した。
自分が"今"を手放すことが、きっと本当の贖罪。
愛する彼にできる、これが最高の償い。
「―――でも。」
ふと苦笑う。
「引き際があっさりし過ぎますわね。私も、カガリさんも。」
彼を愛していたのは本当。
失ったこの胸の痛みは きっと本物。
けれど、手に入らないものにこれ以上追いすがることもできないのは、決して低くはない自分のプライドのせい。
「幸せになって下さい、キラ―――」
見上げた空は青い。
白い鳥が、澄んだ青空の中へ消えて行った。
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