婚約者

☆だって! 妹姫がラクスの衣装着たキラとか描くから!(人のせいかよ)
ゴメンなさい、かなり遊んでます… キラは女の子化してます…
スーツCD聴いてなくても あれとは全く違うので構わないと思いマス。




「こんにちは。キラと呼んで下さい。」
「はじめまして、 アスラン=ザラです…」
 目の前で微笑む彼女から視線を離しがちに返事を返す。

 婚約者として彼女と会うようにと父に言われたのはほんの1週間前。
 そんな勝手にとは思ったが、断ることもできず。
 だいたい写真すら見せずに急に会えだなんて言われても。
 心の準備もあったものじゃない。
 母に言っても、会うまでのお楽しみだと微笑まれるだけで。
 そうこうしているうちに時は過ぎ、あっという間に訪問の約束の日になってしまって。

「どうぞ。」
 紅茶が注がれたカップがテーブルに置かれる。
 白く細い指、その優雅な仕種にもどきりとしてしまった。
「す、すみません…っ」
 感情が隠し切れずに声が裏返ってしまう。
 その様子に彼女は首を傾げた。
「何か?」
「あ、いえ… いただきます…」
 とにかく気を落ち着かせようとカップを手に取り口に運ぶ。
 けれどその手すら少し震えていた。

 あぁ もうここまでとは思わなかった。
 母が楽しみにと言っていたから確かに少しは期待していたけれど。

 腰まであるストレートの濃茶の髪はサラサラで柔らかそうで、
 白磁のような肌も珊瑚色をした唇も精巧に作られた人形のよう。
 欠けた所が1つも無いほど彼女の美しさは完璧で。
 そして、何よりその瞳。
 大粒のアメジストを思わせる美しい紫色は 心を惹きつけて離さない。
 微笑みは花開くようにまた美しく、紡がれる声は小鳥が歌うように響く。
 こんな可愛らしい人が俺の婚約者だなんて…
 夢かと思った。でも夢じゃない。
 心から今の自分は幸せだと思えた。

 あ、でも…


「でも… 驚きましたよね。」
「え?」
 突然そう言われて、アスランはきょとんとする。
「アスランも ぼ…いえ私もまだ14でしょう? ちょっと早過ぎるような気もしますから…」
 婚約者、それはすなわち将来結婚する相手。
 決めるには確かにまだ早いと思う。
「急に婚約だなんて、きっと戸惑ってらっしゃるんじゃないかと思って…」
「僕は構いませんけど?」
 だってヒトメボレしたし。
 さらりと言ってのけたセリフに キラが真っ赤になる。
「え、あ…?」
「貴女は僕とでは嫌ですか?」
 ニッコリと微笑めば、彼女はますます赤くなって下を向いてしまった。
「い、嫌じゃないデス…」
 最後は聞き取れないほど小さかったけれど。
 それを聞いてアスランは心底ホッとした。



 チチチ…

 数羽の青い小鳥が鳴きながら彼女の傍に降りてくる。
「欲しいの?」
 クスッと笑って、彼女はクッキーを小さく割ると掌に乗せた。
 すると小鳥達は飛び乗ってそれらを突付く。
「…鳥がお好きなんですか?」
「ええ。よくこうして一緒に食べるんです。」
 そう言って見つめる瞳は本当に愛しそうで。
 ものすごく絵になるな、と思った。
 もちろん、彼女は何をしても絵になるんだろうけれど。

「飼ったりはしないんですか?」
 思ったことを素直に口に出してみれば、彼女は少し寂しげに笑った。
「確かにずっと一緒に居て欲しいですけど… 自由に飛べないのは可哀想です。」
 鳥籠なんて狭い所に閉じ込めてしまうのは嫌だから。
 好きな場所に飛んで行く為にその翼はあるから。

 クッキーを数枚手に取ると彼女は立ち上がる。
 芝の上に降りればまた数羽の小鳥が彼女の周りに集まった。
「仲良く食べなさい。」
 クスクスと彼女は笑う。
 肩に、頭に、可愛らしい声で鳴いて 小鳥達は思い思いの位置に止まる。

 妖精… というより天使、かな…

 ぼうっと見惚れて眺めながら、アスランはそんなことを考えていた。





【トリィ】
 電子的な音声と 機械的な羽音を立てて、その緑色の鳥はキラの肩に止まった。
 驚いて目をぱちくりさせている彼女にアスランは微笑む。
「この前とても寂しそうにしてらしたので。」
 これならいつでも傍に居るし、鳥籠に入れる必要も無い。
 得意の電子工作で作ったロボット鳥。
 これが今の自分にできる精一杯の 気持ちを形にしたものだった。
「肩に乗って、首傾げて鳴いて、ちゃんと飛びますよ。」
「あ、ありがとうございます…!」
 目を輝かせて、それはとても嬉しそうで。
 そのあまりの可愛らしさにアスランは眩暈を覚えた。
 もちろんそれはぐっと堪えて彼女に気づかれないようにしたけれど。

「あ、でも… 本当に良いんですか…?」
 不意に心配そうになって彼女はアスランを見た。
 無理な我が儘を叶えてもらったようで、少し気が引けたのだ。
 けれどアスランはそれに笑顔で応えた。
「もちろんです。婚約の贈り物ですから。」
 またもさらりと言って彼女を赤面させる。
「や… あ……っ」
 何をどう返したら良いのか分からなくて、彼女は口をパクパクさせるので精一杯。
 それに対して少し可笑しそうに笑った。
 本当に素直で可愛い人だ。
「これからよろしくお願いしますね。」
 彼女のことをもっと知りたい。
 そして俺のことももっと知ってもらいたい。
 まだ始まったばかりの2人の関係。
 これから少しずつでも良いから 互いのことを理解していこう。

「…はいっ」
 まだ顔は赤いまま はにかんで彼女は応えた。
 それがまた可愛くて、どうにか抱きしめたい衝動を抑えるのにアスランは必死だったとか。





終わっちゃえ。



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 何だって相手がキラだとこんな余裕で積極的な人になるんだろう…
 (いや それはお前が勝手に設定しただけ…)
 スーツCDを聞いた人は分かりますが、全然別物になってマス。
 しかもAもちょっと混じっていたり?(何故疑問形か)
 Bと同じなのは場面だけ。反応その他全然逆。
 あっちはラクスがアスランを振り回した上に
 アスランはアスランで心でツッコミ入れまくってますからね。
 小鳥と戯れるキラお嬢様を想像して萌えv(死)
 ええ、本当に女の子ですよ このキラは。歌姫ではないですが。
 もっと親しくなれば一人称は「僕」になるし敬語もなくなるでしょう。
 そしてアスランはさらに暴走することでしょう…(苦笑) 



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