No return
〜あの時君の手を取れたなら〜




 どうしてこうなってしまったのか分からない…
 気がつけば背を向けあっていた。
 違う道を歩いていた。

 どうして 僕と君が戦わなくちゃならなかったんだろう…

 ――――違うね。
 最初に手を払ったのは僕の方。
 君は 何度も僕を呼んでくれたのに。

 どうしても守りたいものがあって…
 彼らを失いたくはなくて。
 けれど
 そのせいで君を…
 僕は 君を……

 いつの間にかすれ違っていた僕ら。
 もう 取り返しがつかないほど進んでしまって。

 でも それでも願わずにはいられない。
 あの頃に戻りたい。
 君とまた 一緒に過ごしたいよ。

 …バカだよね。
 君はもう居ないのに。
 もう会うことは出来ないのに。
 君を… 殺したのは僕なのに。

 そうだよ。
 どうして僕だけが残ってしまった?
 どうして君だけ先に逝かせてしまった?
 君と一緒なら…
 一緒なら死んでも良かったのに―――っ!

 僕のせいで…
 僕のせいで君は死んだのに…!
 なのにどうして!?
 どうして!?
 どうして僕だけがここに残ってるの!?

 死ねば良かった!
 死ねば良かったんだ!
 君の代わりに 僕が!!

 君の居ない世界に意味なんて無いのに…
 生きてる意味なんて 全く無いのに…!

 なのに どうして……っ




 



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キラもアスランは死んだと思ってるんですよね、確か。
と思って書いてみました。
シリアスというより暗い… しかもダーク…
微妙にアスキラのような気がしないでもないです。
そんなつもりは無いんですが。
むしろ これが普通だと思っているので。

前半と後半のテンポが違うのがちょっとアレですが。
それだけ彼は混乱してるってことです。
1番大切な人を失くして 正気でいられる人ってそう居ないと思うのですよ。
特にキラみたいな繊細な人は。



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