シンステ前提シンルナ
「……ルナ。」
「なに?」
隣に座るシンの様子が少しおかしい。
落ち込んでいるとでもいうのだろうか。元気がない。
「…アスラン、生きてたって……」
それは彼らしくないくらい小さな声で。
けれどそれで彼が何を考えているか容易に理解できた。
あまりに分かり易くて 彼には気づかれないようにクスリと笑む。
「そうね。だから?」
彼が何を言いたいのか分かるけど、あえてその先を促した。
自分が笑っていることに、まだシンは気づいていない。
「…生きてたなら、さ… 俺は……」
それっきり声は消え入ってしまって。
最後まで言うのが怖いのだろうと、それ以上意地悪するのは止めにして、項垂れるシンの髪を
そっと撫でた。
「馬鹿ね。…確かに私はアスランが好きだったわ。シンも、まだ彼女が好きでしょ?」
「っ」
彼の心の中には まだ湖に眠る少女が居続けている。
ルナマリアはそれを知っていた。
互いに知っていて、失ったものを埋めるために寄り添ったのだから。
「でもね、今守ってあげたいのは貴方なの。」
「え…?」
反射的に顔を上げたシンの赤い瞳には微笑むルナマリアの顔が映っている。
「シンは私を守るって言ったわ。でも、私もシンを守りたい。今はその気持ちの方が強いのよ。」
彼女の言葉にシンの顔が泣きそうに歪んで。
けれどそれを隠すように 勢いよく抱き込まれた。
「―――シンは1人じゃない。私がいるから。」
---------------------------------------------------------------------
ルナはシンの安定剤、ってことで。
これがいつか本当の恋に変われば その時初めてシンルナになるんじゃないかな。
BACK