【眠れない夜に子守歌を】(キララク)


 目を覚ましたのは、小さな物音のせい。
 暗闇の中で手を伸ばした先にいつもの温もりがなくて目を開けた。


「キラ…?」
 名前を呼ぶと影が動く。
「起こしてゴメン。」
 小さな謝罪と共に髪に触れてくる手はどこまでも優しい。
「…眠れないのですか?」
 ラクスの言葉に撫でる手がピタリと止まる。
 見失わないように腕を伸ばして彼の頬に辿り着いた。

「キラ、」
 そのまま腕を回し頭を抱き寄せて引くと、2人の身体はベッドに倒れこむ。
「ラク…」
「大丈夫ですわ。私はここにいます。貴方はここにいて良いのです。」
「っ」
 ギュッと抱きしめ返される。

 けれど、そこには甘さも艶めいた雰囲気もない。 
 これは子どもが親に縋るような。

「―――…」
 耳元に囁きかけるように ラクスは言葉を紡いだ。



 歌うのは安らかな眠りを祈る歌
 眠れない夜に、貴方に捧げる子守歌








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まずはキララク。
これはあっさり書き上がりました。

Date:2011/2/6(Sun)



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