僕と彼女、君と僕
  ※一部キラフレっぽいかもしれません。


 遺体のない墓碑の前。
 隣に立つのは僕が愛した桃色の髪の人。

 墓碑に刻まれているのは守れなかった人の名。
 赤い髪の、最期 穏やかな顔をしていた「恋人」
 全て仮初めだったけれど、そう呼ばれる時期があった人。
 恋じゃない、お互い温もりに縋っただけ。
 でも、きっと忘れられない人。


「ゴメン…」
「どうして謝りますの?」
 不思議そうに見つめる彼女の顔が見れない。
「君を 幸せにしてあげられないから…」
 僕らの時は止まったまま。
 指輪を受け取った時から凍りついたまま。
 それは僕のせい。
 だけど君は微笑う。
「私は幸せですわ。貴方とこうしていられるのですから。」



 ゴメン

 君を愛しているのに
 その言葉を伝えられない

 僕はまだ囚われているから
 そしてきっと これからも


 守らなきゃいけなかった人
 だけど守れなかった人
 目の前で失った人

 彼女を置いて僕は幸せになれない
 幸せになっちゃいけない
 僕が傷つけてしまった彼女を
 彼女を闇に置き去りにはできないんだ

 それは君を傷つけること
 それでも良いと君は笑うけど


 ゴメン

 君を巻き込んでる
 君の幸せを望むなら僕は忘れるべきなのに

 でもダメなんだ
 彼女を壊してしまったのは僕で
 守れなかったのも僕だから


 君を愛してる
 でも 伝えない
 幸せにできる自信が無いから


 もし彼女がこれを望んでいなくても
 僕は彼女を忘れない
 それが償い


 君を愛してる
 けど 彼女を忘れない







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