雨の音


 ただ、音を聞いていた。

 空を覆いつくす雲のように、色が消えた薄暗い部屋。
 音さえも重く沈み、耳に届く音は1つ。

 静かに降り続けるそれに耳を傾けていた。



「…雨、降ってるね。」

 目は開けず音だけでそれを知る。
 髪を梳いていた彼は「そうだな」とだけ返してきた。


「―――良いの?」
 行かなくて。

 見上げ 目が合うと彼は優しく笑う。

「今日は休みだから。」


 嘘つき。
 君に休みなんてないくせに。

 君は優しいね。
 いつも僕(ヒト)が最優先。



 晴れた日は空と海を眺め続け、雨の日はベッドから起き上がらない僕を。
 ただ、優しく見守るだけの君。

 特に今日みたいな日は。
 1日中 こうして傍にいる。



「ゴメン、ね…」
「? 今なんて―――」
「何でもない…」



 静かな部屋に 雨の音。
 優しい君と2人。

 零れた雫は 切なさか嬉しさか。







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ハメハメハ大王の息子 アスラン(違)
戦後話。(星のはざまで設定?)



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