薬指


「キラ、左手出して。」
 2人寄り添って眠るベッドの中、月明かりが2人を照らす下で。
 アスランは まどろんでいたキラにそう囁いた。
「?」
 突然言われた言葉に戸惑いながらも キラは素直に差し出す。
 その手をアスランは手に取り、自分の方に引き寄せた。

 そして、次にキラが感じたのは 熱。
 彼の薬指に、アスランが口付けていた。

「アスラン…?」
 困惑したキラの声に気づいて、アスランは手から離れて微笑む。
 息を呑むほどきれいなきれいな笑顔で。
「キラが俺のものって印。」
「〜〜〜!?」
 さらりと言ってのける彼に、キラは顔を真っ赤にして口をパクパクさせるのみ。
「あ、アス…!?」
「指輪はまだ買えないから。その代わり。」
「か、代わりって…!」
 恥ずかしさ故に離れようとしても、ここはベッドの上で、しかも手はいつの間にか絡んでいて。
 逆に腕の中へと引き入れられてしまった。

「俺はキラに永久の愛を誓うよ。」

 アスランの言葉は甘い束縛。
 この腕は優しい檻。
 自ら進んで逃れるつもりはない。

 けれど。
 余裕な彼がちょっと悔しいから。

「…気障。」
 応えの代わりにそう言ってやった。

 まだ言わないよ。
 大切な言葉は本物の時にまで取っておくから。







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なんっか気に入らない。ネタは好きなんだけど文が。



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