まどろみ
目が覚めると そこには君の姿があって
聞こえるのは静かな寝息
それにホッとする
覚えていない夢の中、温かいなと思ってた
…君の腕の中に居たからだったんだね
今も昔も変わらない君の癖
気がつくと僕はここで寝ていたから
僕が1番安心する場所だったから
「アスラン…」
呟いた言葉は彼にさえも聞こえない
静かな闇に溶けて消える
伏せられた睫毛は長くて
瞳の深い緑色は今は見えなくて
彼の寝顔を見るのは初めて
だって いつも彼の方が早かったから
「おはよう」って
寝惚けた僕に微笑んでたから
あの時から 君の手を離してから
僕はあまり眠ってない
夢を見てしまうから
君を殺す夢を見てしまうから
だから いつしか眠らなくなった
君の寝顔を見れたのはそのせい
でも 眠れたのは君のおかげ
夢を見たのも久しぶりだったんだ
嫌な夢じゃなかった
真っ白な夢
覚えてないけどそんな感じだった
君と一緒だと僕はこんなにも安定してる
一緒に寝たいって言ったのは 僕
甘えてごめん
また僕は君に甘えてる
あの頃から成長してないよね
それでも君は微笑うけど
良いよって言ってくれたけど
「ごめん…」
朝になったら頑張るから
笑ってみせるから
だから今だけ
「…キラ……?」
少し眠たげな 優しい声が降ってくる
見上げれば 光を吸った深い緑が輝いていて
「おはよう、アスラン」
にっこり笑んだら彼も微笑んで
朝が来たら笑うから
だから夜だけは
君のぬくもりに甘えさせて
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