デートのお誘い?


 それはみんなが下校する時間のこと。

 校門前に人だかりができている。
 女子はすっごい美形だと黄色い声を上げ、男子は男子で美人だなーと感嘆の声を漏らして
 いた。

 けれどそんな声を聞きながらもカガリには全く興味がない。
 それらは自分には関係の無い話だと 帰るべく人の波を抜けようとして。
 ちょうど見えた視線の中心の人物を見て、心底驚いた。


「カガリ!」
 彼女の姿を認めると、その相手は途端笑顔になって身を預けていた門柱から背を起こす。
 視線が一気にこちらへと向けられるが、カガリはそれを気にするどころではなかった。
「キラ? どうしたんだ?」
 騒がれているのがまさかキラだなんて思いもしなかった。
 何か急用でもあったかと思ったが、聞くとキラは違うと答える。
「ただ一緒に帰ろうと思って。彼と別れたんでしょう? なら僕が誘っても構わないよね。」
 にっこりと それはもう可愛らしいほどの微笑みで。
 カガリにとっては大したことなくてもギャラリーは大騒ぎだ。
 同じ顔でも自分はこんな風にはできないなーと思いながら、キラの言葉を反芻したカガリ
 は妙な感じを覚えた。
「……キラ、それなんか言い回し微妙なん…」
「一緒に帰ってくれないの?」
「いや、帰るけどさ。」
 断る理由もないし、最近キラと出かけることもなかったし。
 了承すればキラは嬉しそうな顔をする。

「なら行こう。ほら!」
 差し出された手を握り返してやればキラはまたニッコリと笑う。
 大歓声と人が倒れる音を聞きながら、カガリはキラに手を引かれて学校を出て行った。







---------------------------------------------------------------------


実はキラがすっごいキラが黒いという キラカガ双子の学園モノ。



BACK